皆さん、こんにちわ
今回は「禁断の惑星」という楽曲を紹介したいと思います。
※ 当サイトは太字を読めば要点を掴める構造になっております。早く知りたい!という方は太字のみの閲覧をお試しください。
禁断の惑星 / TABOO1 feat. 志人 DJ KENSEI (2010)
音源自体の人気や韻の完成度はもちろんのことバトルビートとしても人気の一曲。「太陽なんてとうの昔に死んだよ」というフレーズが頭によぎる方も多いのではないでしょうか。作中には鋭いパンチラインを持ったメッセージが多数残されています。全てに焦点を当てると非常に長くなってしまうため特徴をかいつまんでご紹介したいと思います。
曲の世界観
初めの8小節ではこの曲の設定が歌われています。
「 新天地探し 新人類 未知との出会い 知的生物 占領し独占 洗脳し 抑制 経済発展 競争社会の行く末 人工衛星 監視体制の下 ボタン一つで瓦礫の山と化す 産んだ発明で自らを滅ぼす 自業自得と神が涙流す 」
世界観を要約すると「地球が荒廃してしまった未来の人類たち」となります。
曲のテーマは?
曲の前半と後半で2つのテーマをもとにリリックが書かれているのではないかと思います。いずれにせよ一貫して「同じ過ちを繰り返す人類への啓発」と言えるでしょう。
前半
「 再処理は早いところ対処しないと防壁破り砲撃の格好の標的 誤作動により放射能汚染 オーバードーズした六ヶ所 国家暴力 目下冒涜を説く 教科書じゃ消化不良だ坊や 」
このフレーズやその前のリリックから読み取ると「発明した核などの科学技術によって自らの身を滅ぼす人類」がテーマになっていると思われます。
後半
「 群がる権力 拾われたアイツら 所詮雇われ 愛想よくしてりゃいい 飼いならされたヘッドギアはめて情報操作 機密工作 洗脳されたイデオロギー 強制収容されるコロニー 」
「 独裁者が奴隷操るパペット スモールプラネット 天使の羽もぎれた成れの果て 」
より「独裁者とそれに服従する人々」がテーマになっていそうです。前半は人類全体に対するテーマなのに対して後半は独裁者とそれにすがってついていく人という特定の層に向けたリリックになっています。
メッセージとは?
テーマが2つ存在するためメッセージも2つあります。
「 アイロニカルな最後になるか愛を抱くか 君自身が太陽になるんだ 」
また全体を通して神について触れられており
「 ありもしない神のうわさ話ばかりにぶら下がりうたかたに 」
より、「何かにすがるのではなく自分自身を確立させなさい」というメッセージが伝わります。
「何を感じ 何と繋がる 愛を忘れりゃ全てを失う 羨望を味わう孤独な独裁者 よりも弱者を照らす輝くスーパースター」
「 例えこの身が滅び朽ち果てようといつまでもささやかな幸せが此処に有ります様に 」
とあることから、「力で誰かを従わせるより身近な愛のほうが大切」だと伝えています。
また、似た内容がHOOK中にも歌われています。
「 素晴らしきつながりに目を向けず暗闇に砂かじりつまはじき 草花に憂さ晴らし うらみ妬み僻み海原に放って 今すぐに知らぬふりはよせ 後世に残せそれぞれの個性 」
感想
ビートよし!韻よし!内容よし!な一曲ですので単純に音として楽しむのもありですね。作中に散りばめられたメッセージひとつひとつは咀嚼するほどに味が感じられます。一度リリックを理解してから内容に焦点を置いて聴いてみると更に楽しくなるでしょう
禁断の惑星のMVに用いられているフランス映画「FANTASTIC PLANET]と楽曲の内容はマッチしている箇所が多いため興味を持った方は見てみてください。
おわりに
冒頭で記述した通りこの曲には多くのメッセージがあり、各々の完成度が非常に高いため何度も聞いて内容を咀嚼するとよいでしょう。私自身、一度では到底理解することが出来ませんでした。